歯のホワイトニングは、歯の色を明るくする美容治療の一つです。年齢とともに、食べ物や飲み物の摂取、喫煙などの要因で歯が徐々に黄ばんでいくことがあります。このような黄ばみを改善し、より白く輝く歯を取り戻すために、歯科医院や自宅で行うことができます。歯の黄ばみが気になる方は、歯の内側から色素を分解する「ホワイトニング」治療がおすすめです。
目次
歯のホワイトニングとは?
ホワイトニングとは、黄ばんだ歯を漂白し、白くて美しい歯に仕上げる治療法のことです。人の歯は、外側からエナメル質・象牙質・神経の3層構造になっており、その中でも象牙質は黄色味を帯びています。日本人は一番外側のエナメル質が薄いため、黄色味を帯びた象牙質が透けやすい傾向にあります。年齢を重ねると、エナメル質はさらに薄くなっていく一方、象牙質は厚みを増していくため、歯の黄ばみはどんどん強くなっていきます。象牙質の黄ばみは、外側からのアプローチだけでは解消できません。そのため、歯の内部を漂白するホワイトニングによる治療が必要です。
お口の健康を保つ画期的な「ポリリン酸ホワイトニング」
ポリリン酸ホワイトニングは、歯を白く美しくしながら、お口の健康を保つ画期的なホワイトニングです。あらゆる生物の体内に元々存在している生体成分である『分割ポリリン酸』と、高い漂白作用を持つ『過酸化水素』を使用した、安全で非常に高い効果が期待されるホワイトニング方法です。過酸化水素は、漂白剤が体内に入ったとしても、しっかりと分解されることが確認されているので安心して使用して頂けます。
虫歯・歯周病や口臭の予防にも期待されている
ポリリン酸ホワイトニングは、歯の表面をポリリンでコーティングするので、汚れの再付着も防ぐ効果があります。そのため、施術後は歯が白くなるだけでなく、口腔内を清潔に保つので虫歯や歯周病、口臭の予防も期待できます。歯にダメージを与えない施術方法と、ポリリンコーティングによる幅広い効果効能は、歯科業界の注目を集めています。
こんな方にオススメ!
- 茶シブやヤニ、歯の黄ばみが取れない
- 口臭が気になる
- 人前で話す機会が多い
- 至近距離で見られることに不安がある
- コーヒー・紅茶・赤ワイン大好き
- 若々しく明るい印象にしたい
- 不自然な白さはイヤ!
ホワイトニングの種類について
ホームホワイトニング
歯科医院に何度も通わずに自宅でできるホワイトニングです。患者様の歯に合わせた専用トレー(マウスピース)を作成し、専用ジェルをつけて装着してする方法です。ゆっくり時間を掛けて白くすることで、歯の表面荒れも抑えることができ、透明感のある自然な仕上がりになります。患者さまだけで使用ができるよう低濃度の薬剤を使用するため、マウスピースの装着時間が長く、オフィスホワイトニングに比べて白くなるまでに掛かる期間も長くなる傾向があります。
【特徴】
- 自分のタイミングで歯を白くすることができる
- オフィスホワイトニングと比べて色素の分解が細かくなるため、色戻りまでの期間が長い(=色持ちが良い)
- 即効性はない(白くなるのに時間がかかる)
ホームホワイトニングで使う「オーパルエッセンス」
オパールエッセンスとは、安全性と効果の高さにこだわって開発されている世界的なシェアが最も高いホワイトニング剤です。オパールエッセンスのホワイトニングジェルは、過酸化水素(歯の表面に付着した色素を分解する作用がある)を主成分とした薬剤を使用しています。歯の健康を損なうことなく、自然な白さを取り戻すことができるため、当院でもこちらのホワイトニング剤を使用しております。
オフィスホワイトニング
歯科クリニックなどの歯医者で行うホワイトニングのことです。上記で紹介した「ポリリン酸ホワイトニング」もオフィスホワイトニングです。高濃度のホワイトニング剤を塗布した歯に、LEDやハロゲンなどを照射することで歯を漂白していきます。漂白効果が非常に強いため、短時間で歯を白くしたい方におすすめです。しかし、漂白の持続効果はあまり長くないので、継続的に歯を白くしたい場合は、ほかのホワイトニング方法と併用する必要があります。
【特徴】
- 即効性が高い
- ホームホワイトニングでは得られないレベルの白さを追求できる
- ホワイトニング後の色戻りが早いことや透明感が出にくい傾向にある
デュアルホワイトニング
【特徴】
- 効果が現れるのが早く、白さの持続期間が長い
- 他のホワイトニングに比べて費用がかかる
- 歯科医院と自宅の両方でホワイトニングを行う必要がある
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法のことです。オフィスホワイトニングで強力に漂白しつつ、ホームホワイトニングで効果を持続させることができます。どちらの長所を併せもつ理想的なホワイトニングとして、様々な歯科学会や文献で紹介されています。
3種類のホワイトニングには、それぞれメリット・デメリットがあります。目的に合った方法を選び、ご自分に合ったペースで理想の白い歯を手にいれましょう。
ホワイトニングの注意点
自己流でのホワイトニングは危険
ホワイトニングでは、正しい方法で行う事が一番大切です。歯を白くする為に使用するホワイトニング剤は、専用に開発されたものです。ホワイトニング費用や煩わしさを気にして自己流で行う人がいますが、歯や歯茎を痛めたり、ダメージを与えることになるため大変危険です。歯科医院では、ホワイトニングをする為に漂白剤を使用しますが、家庭用漂白剤とは異なるものなので代用はできません。自己流のホワイトニングは避けるようにしましょう。
ホワイトニング後は濃い色の飲み物や食べ物は控える
ホワイトニング後は、着色しやすい状態のためコーヒーなどの濃い飲み物は控える必要があります。また酸性の強い食べ物や飲み物(炭酸飲料やお酢、柑橘系のくだもの)は、歯の過敏症の原因になる事があります。歯がしみる場合には、早めに歯科医師に相談し、知覚過敏の抑制剤等で防ぐようにすれば、しみるような痛みが抑えられます。
歯に虫歯がある場合は先に虫歯治療をする
- ホワイトニング期間中に虫歯が進行する
- ホワイトニングの薬剤の刺激が伝わりやすくなる
- 治療途中に使用するつめ物や仮歯が取れやすくなる
歯に虫歯があって治療中の場合は、上記のようなリスクがあるため、先に治療を終えてからホワイトニングを行うことが多いです。治療前にホワイトニングを行いたい場合は、一度歯科医へ相談をしましょう。
ホワイトニングができない例
- 18歳未満
- 虫歯や歯周病
- 妊娠中や授乳中
- 知覚過敏
- 歯にひびが入っている
- 無カタラーゼ症
- 光線アレルギー
上記以外にも治療により詰め物やかぶせ物、インプラントが入っている場合にはホワイトニングで白くすることはできません。また、薬を服用中の方や、アレルギーがある方も歯科医師に相談してから始めましょう。
ホワイトニング前に行うと歯質強化に!「CAPシステム」
CAPシステム(エナメルアパタイトコーティング)とは歯質強化と石灰化を促し、フッ素をより効率的に活かし虫歯になりにくくするシステムです。当院でもCAPシステムを取り扱っており、ホワイトニング前にするのをオススメしています。
歯の表面は酸による脱灰とカルシウムによる再石灰化を繰り返しています。唾液中のカルシウム量が少ないと再石灰化が追いつかず虫歯になってしまいます。CAPシステムでは、歯の汚れを除去してエナメルアパタイトを露出させ、ハイドロキシアパタイト(リン酸・カルシウムの一種)のもとを作用させてコーティングすることで強石灰化層を作ることができます。歯質が強化されることで虫歯菌の産生する酸により溶かされにくくなります。
※再石灰化…虫歯菌などがつくった酸で溶かされた歯のエナメル質表面の無機成分(ハイドロキシアパタイト)が、唾液などの働きで再び歯の表面に形成される現象
当院のホワイトニングの内容や料金などについて、詳しくはこちらをご覧ください。
まとめ
ホワイトニングをして口もとの印象が明るくなると、お顔全体の印象もかわってきます。歯のホワイトニングは、自信を取り戻し、より明るい笑顔を手に入れるための素晴らしい方法です。ただし、正しい方法で行うことが重要です。自己流で行うことは避け、適切な方法でホワイトニングを行いましょう。
歯科医院で行うホワイトニングは3種類ありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。目的に合った方法を選び、ご自分に合ったペースで理想の白い歯を手にいれましょう。ホワイトニングについて気になることがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。
記事監修 Dr.鳥居 健二
田治米歯科クリニック 八尾医院
院長 鳥居 健二