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知覚過敏の見分け方と対処法
その痛みは知覚過敏?虫歯?
歯の痛みの原因は、虫歯による歯自体の痛み・破折(歯が割れる)による歯自体の痛み・知覚過敏による歯自体の痛み・歯周病による歯のまわりの痛みなどに分類され、対処の方法がそれぞれに変わってきます。
歯が痛いなぁ、しみるなぁと思ったら以下の方法で知覚過敏か虫歯かをある程度判断できますので一度試してみてください。
知覚過敏 | 虫歯 | |
食べ物で歯が しみる時間 | 10秒程度 | 数10秒〜数分 |
しみる歯を 叩いた場合 | 痛みはない | 響くような鋭い痛み |
歯の様子 | ・歯の表面はきれい ・歯の根元が露出している | ・歯に茶色〜黒色のシミがある ・歯の根元は露出していない |
いかがでしたでしょうか?
以上のように、知覚過敏と虫歯の痛みや歯の症状には明確な違いがありますので、ある程度判断が可能です。しかし、歯が痛い・しみるという症状には破折の可能性も考えられますし、虫歯と知覚過敏を同時に発症している可能性もありますので、必ず歯医者さんで専門的に検査・診断・対処して頂きましょう。
知覚過敏の対処法
知覚過敏になってしまったら治るのか?そして、どのように治療していくのか?一番気になるところではないでしょうか。
知覚過敏は、進行具合によってご自宅の歯磨きで治る場合もありますし、進行が進んでいる方は歯医者さんで専門的な治療が必要な場合があります。
しかし、歯は人間の体のなかで唯一再生しません。知覚過敏の治療を行なって治るといっても健全歯の状態に戻るわけではありません。あくまで痛みやしみない状態に処置するということは覚えておきましょう。
知覚過敏の症状を抑える薬の塗布
歯茎が下がり象牙質が露出してしまったことが原因で知覚過敏を起こしている場合や歯の根元がくさび状にかけてしまったことが原因で知覚過敏を起こしている場合「くさび状欠損(WSD)」は、知覚過敏の症状を抑える為の薬剤やコーティング剤を塗り、物理的に刺激が伝わらないようにします。
しかし、時間の経過とともに効力は薄れてくるため、定期的な塗布が必要になります。
コンポジットレジン(つめもの)を詰める
象牙質が露出してしまったことが原因で知覚過敏を起こしている場合でも特に歯の根元がくさび状にかけてしまっている場合「くさび状欠損(WSD)」には、歯科用のプラスチック:コンポジットレジンを詰めて象牙質を覆い、刺激が伝わらない様にします。また、欠けた部分に汚れが溜まらない様に改善し、虫歯や歯周病のリスクも軽減させます。
ナイトガード(マウスピース)で歯ぎしりやくいしばりを防ぐ
「歯ぎしり」や「くいしばり」=(ブラキシズム)が原因で知覚過敏を起こしている場合、薄く柔らかい透明の素材でできた「マウスピース」を使用して「歯ぎしり」や「くいしばり」から歯を守ります。
特に寝ている間に無意識に行っている「歯ぎしり」から歯を防ぐためのマウスピースを「ナイトガード」と言います。
知覚過敏ケア用の歯磨き粉を使う
知覚過敏専用の歯磨き粉を使用する場合は、薬用成分である「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」が入った歯磨き粉の使用をおすすめします。
また、これらの成分は効果が永遠と持続するものではないので、継続的に使用することが大切です。
硝酸カリウム
硝酸カリウムはイオン化すると硝酸イオンとカリウムイオンに分かれます。そのカリウムイオンが、歯髄のまわりにイオンのバリアを形成し、露出した象牙質の表面にある象牙細管(ぞうげさいかん)を通して伝達される刺激をブロックします。
乳酸アルミニウム
乳酸アルミニウムは、露出した象牙質の表面にある象牙細管(ぞうげさいかん)にフタをし、刺激をブロックしてくれる作用があります。
おすすめの知覚過敏ケア用の歯磨き粉
「おとなのトータルケア歯みがきジェル」
様々な口腔内リスク(歯周病・う蝕・知覚過敏症状・口臭)を1本でトータルケアできる歯みがきジェルです。
歯面にしっかり密着し唾液に溶けにくい「高密着ジェル」と、磨きはじめから薬用成分を素早く放出する「高リリース機能」のダブル効果で効率的に薬用成分が歯面に行き渡ります。
その他に、知覚過敏にならない様に、歯の再石灰化を促進させ、歯を強化する働きがある歯磨き粉を使用することをおすすめします。
「MIペースト」
MIペーストは、歯の再石灰化を促進させ、歯を強化する働きがある豊富なミネラル「カルシウム」と「リン」を含んでいます。この再石灰化の作用は、知覚過敏の緩和にも役立ちます。
また、お口の中は酸性になると虫歯のリクスが高くなりますが、酸性の状態を中和する作用と緩衝作用をもつCPP-ACP「リカルデント」を含んでいるため、虫歯の予防に繋がります。患者さんのブラッシングの後に、MIペーストを歯面に塗布するだけの簡単なケアです。
※牛乳アレルギーの方は使用しないでください。リカルデントガムと同じ牛乳由来成分 CPP-ACP が含まれております。
「チェックアップルートケア」
チェックアップルートケアは、虫歯予防に有効な成分といわれるフッ素(フッ化物)を高濃度配合した知覚過敏の方向けのジェルタイプの歯磨き剤です。コーティング剤PCA(ピロリドンカルボン酸)が露出した象牙質表面のコラーゲンをコートする事で歯がしみるのを防いでくれます。研磨剤が含まれていないため歯や歯ぐきにも優しいのが特徴です。
当院ではチェックアップルートケアを使用して「全然痛みがなくなった」という患者さまも多いです。知覚過敏でお困りの方は、ぜひ使ってみてください。
これら3つのおすすめの歯磨き剤のお求めは、当院(田治米歯科クリニック 八尾医院)でお求め頂くか、かかりつけの歯科医院でお尋ねください。
以上の様に、知覚過敏といっても様々な進行具合と対処方法がありますので、ちょっとでも「歯がしみたり」「キーンと痛みを感じた場合」はお気軽に歯医者さんで診てもらいましょう。
何事も症状が悪化する前に、対処した方が後々の事を考えると、リスクも金銭的にも軽くで済みます。
また、ご相談だけでも大丈夫ですので、お気軽に当院へご連絡ください。
記事監修 Dr.鳥居 健二
田治米歯科クリニック 八尾医院
院長 鳥居 健二