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口内炎とは
口内炎とは、お口の中やその周りの粘膜が様々な要因で炎症を起こしている状態のことです。
口内炎は、頬の内側の粘膜、唇の裏側の粘膜、歯茎、舌など、お口の中のいたるところに出来るので、口内炎になられた方はわかると思いますが、食事や歯磨き、会話の時に痛みや不快感を感じます。普段の当たり前の生活が出来なくなり、とても気持ちが沈み、ストレスも抱えてしまいます。
では、口内炎ができる原因は何なのか?
口内炎が出来てしまったらどうしたら良いのか?
さらに口内炎にならないためにどの様にしたら良いのか?
それぞれ詳しく解説していきます。
口内炎ができる仕組み
口内炎の原因
口内炎ができる原因は、様々な要因でできるため明確にコレというものはわかっていませんが、大きく分けて3つの要因が考えらます。
偏食による栄養バランスや食生活の乱れ
仕事が忙しくて外食やコンビニ中心の食事になり栄養のバランスが偏ってしまうことで口内炎ができやすくなります。
また、特に栄養素の中でもビタミンB2が不足すると代謝が正常に行われなくなり炎症や唇のひび割れの原因となります。さらにB6が不足すると免疫力の低下に繋がり細菌やウイルスの影響を受けやすくなります。
仕事の疲れ・ストレス・睡眠不足による免疫力の低下
仕事が忙しくて疲れやストレスが溜まっていたり、寝不足によって免疫力が低下してしまうことで口内炎ができやすくなります。
免疫力の低下による口内炎は「ウイルス性口内炎」といいます。
身体の中に「ヘルペスウイルス」というウィルスが感染していると普段は悪さをしないのですが、免疫力や体力が低下すると身体に影響を及ぼしてきます。
外的要因による粘膜の外傷・損傷
口の粘膜が傷つき、そこで細菌が繁殖して炎症が起こり、びらん、潰瘍(アフタ)などができることで口内炎になります。
食事中などに間違えて頬の粘膜や唇を噛んでしまった経験があると思いますが、そのあとに口内炎ができる理由はこれです。粘膜の損傷が原因で起きる口内炎です。
ご自身の歯で「歯が尖っている」「かぶせ物があっていない」「噛み合わせが良くない」などがある場合に、毎回同じ場所に口内炎ができることがあります。その場合は歯医者さんでしっかり診てもらい、原因を取り除くことをオススメします。
口内炎ができる仕組みを図解
- 栄養不足やストレス、疲労、ウイルス感染、外的要因による外傷などにより、たんぱく質の分解要素の一種であるプラスミンが発生します。
- 増加したプラスミンによって、ヒスタミン(炎症のもと)、ブラジキニン(痛みのもと)が出て血管を拡張します。
- 炎症が起きると血管からヒスタミン、ブラジキニンが漏れ出やすくなり、むくみ・痛みが発生します。
- 炎症が続くと粘膜の表面に異常をきたし、ただれを起こし「びらん」になってしまいます。
- さらにただれた部分がえぐられ、腫瘍(アフタ)が出現し、口内炎が出来ます。
口内炎が出来てしまったら
口内炎の出来る仕組みは上記の様に様々な要因で出来ますが、では実際に口内炎が出来てしまったらどの様に対処していくかを口内炎の種類と共にご説明いたします。
口内炎の種類
口内炎には、アフタ性口内炎、カタル性(外傷性)口内炎、ウイルス性(ヘルペス性)口内炎、カンジダ性口内炎など、症状によって様々な種類があります。
アフタ性口内炎
アフタ性口内炎とは、腫瘍(アフタ)が発生し、アフタの周辺に粘膜炎を伴っている状態です。
もっとも一般的な口内炎といわれ、円形または楕円形の白っぽい潰瘍が出来ます。
主な原因は、免疫力の低下と言われていますので、アフタ性の口内炎が出来てしまったら、「ストレスを溜めない、偏った食事で栄養バランスを崩さない、寝不足などで生活習慣を乱さない」など、日々の生活に注意していただき、予防として、歯医者さんに置いてあるような、低刺激の洗口液や、歯磨剤(歯磨き粉・歯磨きジェル)を使用して、常にお口の中を清潔に保つようにしましょう。
カタル性(外傷性)口内炎
カタル性(外傷性)口内炎とは、粘膜に赤い炎症や斑点や水泡が出来ている状態の口内炎です。
ヒリヒリとした痛みを感じ、食べ物によってはしみる事があり、食事に影響のでる症状です。
直接的な原因は、物理的な刺激や傷で、そこに免疫力の低下や風邪などにより、細菌が繁殖することによって発生します。
カタル性(外傷性)口内炎が出来てしまったら、抗生物質を含んだ軟膏での殺菌などで様子を見ていきますが、原因となっているものが、尖った歯や矯正器具・入れ歯・噛み合わせである場合は、歯医者さんに相談し、原因を取り除いてもらいましょう。
ウイルス性(ヘルペス性)口内炎
ウイルス性(ヘルペス性)口内炎とは、ヘルペスウィルスへの感染により発症するウィルス性の口内炎です。
ヘルペスウィルスに感染した場合は、強い痛みがあり、高熱やリンパが腫れる、発疹などの症状が現れます。
主な原因は、ヘルペスウィルスが人から人、物から人へ感染する事が原因です。
ヘルペス性口内炎になってしまったら、皮膚科などの病院へ行き薬を処方してもらいましょう。
カンジダ性口内炎
カンジダ性口内炎とは、口腔カンジダ症とも呼ばれる感染症で、口の中でカンジダというカビ(真菌)が過剰に増えて発症する口内炎です。
カンジダ症には様々な症状がありますが、もっともよく見られる症状は、白くて軟らかい苔のような斑点が口の中の至る所にでき、はがすと赤く腫れたり、出血したりします。
主な原因は、カンジダというカビ菌(真菌)なのですが、これは元々は口の中に存在している常在菌で、免疫力の低下や糖尿病や血液の疾患、ガンなど他の病気を患っている方で抵抗力が弱っている場合に発症することがあり、これを日和見感染症といいます。
カンジダ性口内炎になってしまったら、皮膚科や歯周内科を行っている歯科にて抗真菌剤を処方してもらいましょう。
しかしながら、カンジダ性口内炎は、健康な方は発症しにくい口内炎ですので、糖尿病やガンなど重大な病気が隠れている場合がありますので、一度検査をする事をオススメいたします。
真菌(カビ)の除去
当院では、歯周内科を行なっているため、真菌(カビ)の除去のための処置を行っています。
専門的にはジスロマックという抗生剤の投薬と、抗真菌剤でのブラッシングを併用して行い、歯周病の原因菌を除去していくのですが、そのような患者様にオススメしているペリオバスターNという歯磨き剤があるのでご紹介します。
ペリオバスターNは、殺菌作用を持つ液体歯磨き材で、アロエやヨモギ、ヒノキ、人参、海藻といった天然成分でできています。
そしてもう一つ、歯磨きをしやすくするためにジェル状にしたペリオバスタージェルという歯磨き剤もあります。
それぞれ併用して頂くと、真菌(カビ)の除去に役立つので、口内炎が発症した場合にオススメの歯磨き剤です。
口内炎にならないために
正しい生活習慣と食生活
まずは、何よりも正しい生活習慣と食生活をするようにしましょう。
早寝・早起きや、毎日決まった時間に起床・就寝するなど、規則正しいリズムで生活することを心がけましょう。
とはいえ、働き盛りの年齢の方や業種により昼夜逆転してしまう方は、食事だけでもバランスよく栄養を摂るようにしましょう。
偏った食事により体内の環境が乱れると口内炎だけではなく、様々な病気を誘発してしまうので、気をつけて正しい食生活を送る様にしましょう。
ストレス発散
そして、ストレスを溜め込まないことです。
何かストレスを発散できる事を自分なりに見つけることで、心の健康を保てます。
スポーツでも遊びでも、ご自身にあった方法を見つけ出して頂ければと思います。
お口の中を清潔に保つ
歯磨きの後や、お口が乾いた時など、洗口剤(マウスウォッシュ)を使用し、お口の中を清潔に保つようにしましょう。
洗口剤(マウスウォッシュ)
歯科でオススメしている洗口剤は、コンクールFというマウスウォッシュです。
コンクールFは、緑茶抽出成分・フラボノイドが配合されており、市販のものと違いピリピリとした刺激がないので、お口にとても優しく長く使用できる洗口剤です。
コンクールFは、お口の中を清潔に保つだけでなく、歯周病や虫歯の予防にも最適なので、多くの歯科医院でオススメされています。
また、その他にもコンクールジェルコートFという商品は、歯をフッ素コートするジェル状の歯みがき用のジェルで、発泡剤、研磨剤が入っていないので、歯の表面のエナメル質を傷つけないため、知覚過敏や歯茎の退縮の心配がない歯磨剤です。
まとめ
口内炎は、出来てしまうと毎日の生活が憂鬱になってしまいます。
生活習慣の乱れや食生活のバランスが崩れることで口内炎になってしまい、食事や会話がし辛くなったり、ストレスが溜まったり、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
口内炎が長引いたり、頻繁に出来るようでしたら、一度信頼できる歯医者さんにご相談してみてはいかがでしょうか?医療機関だから出来る治療があります。
何よりも規則正しい生活と、バランスの良い食事、ストレスを発散できる環境づくり、そしてお口の中を清潔に保つことを気をつけて生活しましょう。
記事監修 Dr.鳥居 健二
田治米歯科クリニック 八尾医院
院長 鳥居 健二