皆さんは毎日使う歯ブラシをどのようなポイントで選んでいますか?
歯ブラシと言っても、「毛の硬さ」「毛の細さ」さらには「頭(ヘッドの大きさ)」も違います。それぞれ皆さんのお口にあったものを選ぶことが大切になってきます。お口の状態に合っていない歯ブラシは、磨き残しの原因となり虫歯や歯周病につながってしまいます。
今回は、歯ブラシを年齢別に分けて選ぶポイントをご紹介します。
目次
0〜2歳
歯磨きに慣れるまではガーゼ磨きをしましょう
赤ちゃんの乳歯が生えはじめるのは、生後6カ月頃からです。まずは赤ちゃんが歯のケアに慣れるまでガーゼ磨きをしましょう。ぬるま湯で湿らせたガーゼを人差し指に巻きつけ、乳歯の表と裏をやさしく拭きます。
ヘッドは小さく毛はやわらかめ、曲がるタイプの柄の歯ブラシ
赤ちゃんがガーゼ磨きに慣れてきたら、歯ブラシを使って磨きましょう。歯磨きに苦手意識をもたせないためにも、ヘッドは小さく毛はやわらかめを選んでください。歯ブラシを自分で持つようになったら、太くて握りやすく、安全のために曲がるタイプの柄を選びましょう。
3〜5歳
ヘッドの毛はふつうの硬さで柄はまっすぐで太めのタイプ
小さな子どもの手でも握りやすいよう、柄はまっすぐで太めのタイプを選びましょう。奥歯まで生えそろってくる乳歯をきちんと磨けるように、「ふつう」の硬さのブラシを選んでください。また、歯磨きの最中に転倒すると危険ですので、柄の曲がるタイプを選ぶと安心です。
歯ブラシはこまめに交換しましょう
この時期は歯ブラシを噛む子どもが多いため、毛先がすぐに開いてしまいます。(公財)ライオン歯科衛生研究所の調査によると、毛先の開いた歯ブラシでの歯垢除去率は新しい歯ブラシを使った時の6割程度と言われています。
6〜12歳
ヘッドがコンパクトで毛はふつうの硬さの歯ブラシ
6〜12歳用の歯ブラシは、まっすぐで奥歯まで届く長さのものを選びましょう。奥歯までブラシが届きやすいように、ヘッドは薄くてコンパクトなものが適しています。3〜5歳と同じように、しっかり磨ける「ふつう」の硬さを選びましょう。
虫歯になりやすい一番奥の歯まで届く長さを選びましょう
乳歯から永久歯へ生え変わり、虫歯のリスクが高まる時期です。とくに一番奥の第一大臼歯は虫歯になりやすいため、奥歯まで隅々磨ける歯ブラシを選ぶ必要があります。
仕上げ磨き用
ヘッドはコンパクトで奥歯まできちんと届く長さのものを選びましょう
仕上げ磨きをするときは、お子さまが使っている歯ブラシではなく仕上げ磨き用の歯ブラシを用意してください。子どもの小さな口に届くように、ヘッドはコンパクトで柄は、奥歯まで届く長さのものを選びましょう。子どものやわらかい歯ぐきを傷つけない、ソフトな毛先がオススメです。
仕上げ磨きは12歳頃まで続けるのがベスト
お子さまの歯磨きをサポートするために仕上げ磨きは非常に大切です。生え変わったばかりの永久歯は象牙質(歯の表面のエナメル質の下にある組織)がまだ柔らかく、虫歯になりやすいため仕上げ磨きは12歳ごろまでは続けた方が良いと言われています。
大人
歯ぐきの状態や目的に合わせて自分に合ったものを選びましょう。部位別に歯ブラシの種類を分けて使うのも良いと思います。健康な歯ぐきの方はしっかり磨けるように毛の硬さは「ふつう」を選びましょう。
奥歯までしっかり磨けて歯の間にも毛先が届きやすいルシェロ歯ブラシはおすすめです。日本人の歯列に合わせて持ちやすくカーブさせているので磨きやすくなっています。
むし歯の予防にはルシェロのB10M/S・ピセラB20M/S
虫歯予防にはプラーク(歯垢)をきちんと取り除くことが大切です。長い毛と短い毛を混合させることで高い清掃効果を発揮し、ブラシを横に動かすだけでも歯と歯の間まで毛先が入り、隙間のプラークを除去します。
長い毛は歯と歯の間、短い毛は歯の表面の汚れを取り除く効果があります。毛先1本1本の毛先が丸くなっているラウンド毛で作られており歯垢を効率よく除去し、歯面や歯肉を傷つけにくい歯ブラシです。
歯周病予防にはルシェロP10M/S・ピセラP20M/S
歯周病は歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)の汚れを取り除くことが大切です。狭い隙間に入り込めるような毛先の細い歯ブラシが選ぶのがポイントです。
ルシェロの歯ブラシは毛先が先鋭化されたテーパー毛と毛先が丸くなっているラウンド毛を段差をつけて植毛し、歯面だけでなく細かい部分の汚れも効率よく除去してくれます。
歯周病では歯茎が腫れる場合もあるので、「やわらかめ」のものを選びましょう。毛先が細いブラシを選ぶと歯垢が潜みやすい歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)にしっかり届き、汚れをきちんとかき出せるため歯周病予防に適しています。
重度の歯周病にはルシェロOP-10
ブラッシング時に歯肉に毛先が当たりにくいドーム型カットで痛みの強い箇所を傷めない作りになっています。痛みが強すぎて磨けないときは、かかりつけの歯医者さんにすぐ相談しましょう。
磨きにくい場所にはタフトブラシ
歯ブラシが届きにくい奥歯は、歯垢も除去しにくく、虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。歯ブラシが届きにくい場合は、タフトブラシがおすすめです。タフトブラシは、ヘッドが小さくネックも細いので細かい場所や歯の奥まで届きやすく、密になったドーム状の毛で細かな汚れを効果的に落とすことができます。
歯ブラシの交換時期
交換の目安は1ヶ月
歯ブラシを清潔に使用するうえで、交換時期の目安は1ヵ月です。毎日口の中の汚れを落とすのに使っているため、まだきれいに見える歯ブラシでも菌が繁殖している恐れがあります。
毛先が開いてきたら新しいものに交換しましょう
1ヵ月経っていなくても毛先が開いてきたら交換しましょう。毛先の開いた歯ブラシでは汚れの除去効果が落ちるうえ、歯や歯ぐきを傷つける可能性もあります。歯ブラシを裏から見て毛先がはみ出していたら、新しいものに取り替えましょう。
幼児から大人まで万能な1本「クラプロックス」の歯ブラシ
世界で選ばれているスイス生まれの「クラプロックス」の歯ブラシは、通常の歯ブラシの最大10倍の5460本の超高密度毛で歯垢を効果的に取り除きます。独自に開発されたポリエステルのCuren®︎繊維(クレーンファイバー)はナイロンよりも弾力があり、湿った口腔内でも乾いている時と同じような安定性を保つ事ができます。幼児から大人用まで様々な種類があるので、ぜひ一度試してみてください。CSオルソウルトラソフトは矯正中の方向けの歯ブラシです。
まとめ
歯ブラシは自分の歯や歯茎の状態、目的に合わせて選ぶことが大切です。そのためには、まずお口の中を知ることが必要になります。セルフチェックも大切ですが、わかりづらい虫歯や歯周病もあるので、お近くの歯医者さんできちんとお口の中を把握することをおすすめします。
自分に合ったヘッドの大きさや柄の形状に変えるだけで、磨き残しも減らせることができます。お気に入りの1本が見つかれば、歯磨きの時間が今よりもきっと楽しくなるはずです。ぜひお気に入りの歯ブラシを見つけて歯磨きの時間を楽しんでみてください(^ ^)
記事監修 Dr.鳥居 健二
田治米歯科クリニック 八尾医院
院長 鳥居 健二