歯科医が教えます!信頼できる矯正の歯医者さんを選ぶには?

矯正歯科を選ぶポイント!

歯並びの矯正でお悩みの方は、どのように歯医者さんを探したら良いか?判断し兼ねますよね。
「家から近いから」「職場から近いから」「ホームページの雰囲気が良いから」…
このような判断だと、失敗する可能性もあります。
また、「矯正歯科オススメの10医院」などのポータルサイトと呼ばれるサイトも検索の上位に出てきますが、ポータルサイトの中には課金することにより、その10医院に掲載される仕組みの物もありますので、本当にしっかりした治療をしてくれるかどうか、正しく判断できる知識が非常に大切になってきます。
マウスピース矯正(インビザライン )、ワイヤー矯正を実際に行なっている歯科医師としての目線で、信頼できる良い歯医者さんを選ぶ基準をお伝えします。

1.患者さんに一番合う治療計画を提案してくれる歯医者さん

歯の矯正の症例は、患者さんの数だけ有り、ひとつとして同じものはありません。
治療計画も同じ様に、その患者さんの口腔内の環境、歯並び、骨格によって完全オリジナルで計画を立てていきます。
さらに、治療の方法は何通りも考えらるので、患者さんの性格や経済状況に合う様にそれぞれの方法を提案させて頂きます。
矯正治療は、自費診療になるので高額ですし、患者さんの印象を決める大切な顔の治療です。
通り一遍等の機械的な対応で、安売りをして症例数を増やそうとしている医院さんよりも、カウンセリングから治療計画まで、その患者さんの事を想って提案してくれる歯医者さんで受診される方が、患者さんにとって心も体も幸せになるのでは無いかと考えます。

2.治療前に行う検査内容を明確に掲載している歯医者さん

上の項で述べた通り、患者さんの数だけ口腔内の環境が違うので、精密な検査を行った上で総合的な判断をした上で、治療の計画を立てていきます。
検査の方法や内容をしっかりと患者さんに伝え、検査の結果を患者さんに知ってもらう事で、なぜその治療計画になるのかと言う事を理解して頂けます。
また、総合的な判断をする上で、検査内容というのは非常に大切で、「何の検査で何を判断する」という事は専門的な立場からすれば容易に分かります。
マウスピース矯正(インビザライン )やワイヤー矯正の治療において、

  • 口腔内写真
  • 顔貌写真
  • 歯型採り(アイテロを使用した光学印象)
  • X線写真(パノラマ)
  • 顎関節の検査
  • 最後に頭部のX線写真(セファロ)

以上の検査は矯正治療を行う上で、絶対に必要です。
「これらの検査をします。」とホームページに掲載されていない場合は、直接問い合わせるか、カウンセリングなどで聞きいた上で判断される事をオススメ致します。

3.口腔内全体と口以外の顔貌・顎関節など、トータルに見てくれる歯医者さん

歯の矯正治療は歯並びだけを綺麗に整えるだけの治療でしょうか?
歯並びで悩まれている方で、綺麗な歯並びになると全てが変わると思われている方が多くいらっしゃいます。
もちろん適切な位置に歯を並べること「一歯対二歯(いっし・たい・にし)の咬み合わせ」で、噛み合わせが良くなり、より食べ物をしっかりと咀嚼でき消化を助け全身の健康に付与したり、歯と歯と重なりを適切に戻すことで、虫歯のリスクを軽減できたり、様々な効果があります。

しかし、綺麗な歯並びなのに、歯周病や虫歯による口臭や汚れがあるとどうでしょうか?
また、顎関節の症状がある場合は、口腔内でけではなく顎、顔の骨格まで診る必要があります。顎関節症は様々な要因で発生するので、歯並びだけを綺麗にしても、機能障害が起こり歯の寿命が縮まることになります。
さらに、人間の顔には、美しいとされている基準の比率やベースのラインがあります。

  • ゴールデンプロポーション:正面から見た時の上顎の1番と2番の歯の横幅の比率が1.618:1が理想的な比率
  • E-ライン:横顔の鼻と口と顎のラインが直線
  • スマイルライン:笑顔のときの前歯の先端のラインが下唇内側ラインに沿っている
  • 歯肉ライン(ジンジバルライン):歯ぐきと歯の境目のラインが左右対称な曲線
  • 正中線:上下それぞれの前歯の中心の線が上下でほぼ一直線になっていて、歯の正中線が顔の中心線上にきていること

このような総合的な目線で歯科矯正のゴールを見ている歯医者さんをオススメ致します。

4.出来ないことは出来ないという歯医者さん

マウスピース矯正(インビザライン )では、治すことが難しい症例がいくつかあります。また、ワイヤー矯正と比べて、マウスピース矯正に向いている症例や不向きな症例があります。
なんでもかんでも、「ワイヤーの煩わしさがない」「衛生的で手軽に出来る」「目立たない」からと、マウスピース矯正(インビザライン )だけを推して、ワイヤー矯正を否定的な立ち位置で謳っている医院さんは、少し注意が必要です。

最初のカウンセリングで、ご自身の歯並びが、どの矯正治療で治すのが最適か診断して頂き、医師からその理由をしっかり聞かれる事をお勧め致します。

5.ワイヤー矯正も行っている歯医者さん

上記でマウスピース矯正(インビザライン )では、治すことが難しい症例があり、ご自身の歯並びが、どの矯正治療で治すのが最適か診断して頂き、医師からその理由をしっかり聞かれる事をお勧めすると言いましたが、マウスピース矯正(インビザライン )しか行っていない医院さんでは、そのような症例の患者さんが来院された場合に、他の矯正治療の提案が出来ません。
他の歯医者さんへ紹介するか、無理矢理にでも行うしかありません。

しかし、ワイヤー矯正の知識もある場合には、様々な角度から診査・診断ができます。
マウスピース矯正(インビザライン )で難しい症例の場合、ワイヤー矯正での治療を提案することも出来ます。また、大まかにマウスピース矯正(インビザライン )で治療し、難しい部分をスポット的にワイヤー矯正で治すといった手法もあります。
症例数だけではなく、様々な矯正治療の経験のある歯科医師・歯科医院に診てもらう事をお勧め致します。

6.子供の矯正、予防矯正も行っている歯医者

こちらの理由としては、その歯医者の矯正治療に対しての考え方がある程度分るからです。
歯は、6歳くらいから乳歯から永久歯に生え変わります。永久歯では上下左右2本ずつ計8本増えます。また、親知らずを入れると、それにプラス4本ということになります。
さらに、5歳くらいから、顎の成長期を迎え、歯並び・骨格の形成が始まります。

歯並びはこの時期の観察が非常に重要なのです。
永久歯の生え方だけでは無く、お子様の癖(頬杖・口呼吸など)が歯並びに影響します。
大人になって性格が治らないと同じように、大人になって歯並びだけ直しても、子供の頃の癖や習慣により、また歯並びが乱れてくるという症例はいくつもあります。
そのためには、ベースとなる子供の頃に口呼吸や下の位置など歯並びに影響のある癖を治す予防矯正、また、大人になる前に負担を軽減する小児矯正も併せて行っている歯医者さんは、矯正治療を総合的に捉えていると判断できるのでは無いでしょうか。

7.上記の項目をしっかり行ったうえで、症例数が多い歯医者さん

歯医者さんという場所は医療機関です。
事業の第一目的は、患者さんの健康です。

お金儲けが第一主義になっていると、他の業界のような薄利多売のビジネスモデルを採用したり、過大広告を謳って患者さんを多く取り込もうとします。
矯正治療は保険診療ではなく、自費診療になるので、医院側で自由に価格を決めることが出来ます。
当院では、価格の価値=医療の価値だと考えます。
シーズン毎に買い替えるファストファッションとは訳が違うのです。

ご自身の身体の健康に関わる事ですので、患者さんこそ、その歯医者さんの考え方をしっかりと診査・診断し、正確な判断の上で歯医者さんを選んで頂きたいと思います。

まとめ

現在、歯医者の数はコンビニよりも多いという状況です。
そのようななかで、患者さんは何を基準に歯医者を選んでいいのか、本当に大変だと思います。

矯正治療は、ご自身の身体のことなので、本当に信頼できる歯医者さんかどうか、まずは無料のカウンセリングを受け、その歯医者さんがどのような事を大切にして、どのような事を第一に考え治療しているか聞いてみましょう。その上でしっかりと判断して頂き、慎重に決められる事をオススメ致します。

矯正治療でお悩みの方は、上記の事を判断の一つとして頂き、少しでも良い治療を行ってくれる歯医者さんに出会える事を願っております。

記事監修 Dr.鳥居 健二
田治米歯科クリニック 八尾医院
院長 鳥居 健二

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