電動歯ブラシと手磨きはどっちがいいの？

みなさんは普段どのような歯ブラシを使っていますか？一般消費者における日本の電動歯ブラシの普及率は約22％（2019年フィリップス調べ）となっており、まだまだ電動歯ブラシよりも手磨きで磨かれている方が多いと思います。

電動歯ブラシと手磨きはそれぞれに良い特徴がありますが、どちらも正しく使えてないと磨き残しや歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があります。

今回は、まず電動歯ブラシを使ったことがない方向けに電動歯ブラシの特徴や使い方などを説明したうえで手磨きとどちらを選ぶべきかについてお答えしたいと思います。

電動歯ブラシの種類

電動歯ブラシは手磨きでは不可能な速さで多くの振動を歯に与えることができ、手磨きに比べて短時間で汚れを落とすことができます。

市販されている電動歯ブラシは大きく３種類に分かれます。

超音波で歯垢を破壊します。超音波は速い振動のため、手磨き用歯ブラシのように、歯ブラシを左右に動かして磨く必要があります。超音波の効果で、歯からプラークを浮き上がらせて除去しながら、口の中の細菌同士がくっつく力を低下させる事が可能です。歯垢除去能力が音波歯ブラシよりも強いと言われています。

電動歯ブラシに音波の振動を発生させて歯垢を除去します。毛先が当たることで汚れを落とすとともに、音波振動による高速の水流や細かい泡によって、毛先の触れていない範囲の歯垢も除去します。従来型電動歯ブラシと同様に歯ブラシを動かす必要はありません。

ブラシ部分が電動で往復、または回転運動をします。毛先が当たることで汚れを効率的に落とします。手磨きのように歯ブラシを動かす必要がありません。手磨きでは届きにくい箇所の汚れを落とすことができます。

電動歯ブラシの正しい使い方を、部位別に確認していきましょう。

歯の表面にはブラシを垂直に当て、振動が均等に伝わるようにします。ブラシを力強く押し付けないようにしましょう。

ブラシが歯垢が溜まりやすい歯周ポケット（歯と歯茎の溝）に入り込み、汚れがかき出しやすいように45度の角度で斜めに当てて磨くようにしましょう。

歯ブラシを当てる角度は、基本的に通常の歯ブラシと同じです。噛み合わせの部分は凸凹しているため、ヘッドを上下に向けて垂直に当てるようにしましょう。

電動歯ブラシを使い始めて間もない人は、歯ブラシをゴシゴシと動かしてしまう傾向にあります。そうすると歯に摩擦力が加わり、ダメージを与えてしまうこともあります。

電動歯ブラシを使うときは、歯磨き剤は少量に留めておき、研磨剤が含まれていない歯磨き剤を使用するようにしましょう。研磨剤が含まれた歯磨き剤をつけていると、歯の表面を傷つけてしまう原因になります。

歯並びや歯肉の状態は人によって違うので、それぞれの特徴を知り、自分に合った方を選択して健康な歯と歯茎を守りましょう。

手磨きは、価格が安く歯並びに合わせて歯面を細かく磨けたりするというメリットがあります。また、いろいろな硬さや形なども選べるため、時間をかけて丁寧に磨いていきたい人には最適な器具といえます。

◉いつでもどこでも磨きたい方
◉費用を抑えたい方
◉電動歯ブラシの振動が苦手な方

電動歯ブラシ最大のメリットは誰でも優しい力でスピーディーにより高いプラーク除去効果が見込める点にあります。

◉矯正装置を付けている方
◉忙しくて歯磨きに時間が当てられない方
◉歯を磨く力が強い方

何よりも大切なことは歯磨きをする目的は、歯の周囲につく汚れ（プラーク）を除去することです。どんなに良い歯ブラシでもその特徴を理解し、使いこなせていなければ歯を傷つけてしまったり、磨き残しをしてしまう可能性があります。正しい磨き方を理解したうえで自分に合った歯ブラシで磨きましょう。

電動歯ブラシと手磨きどっちが良いのかという答えは、自分に合った方を選ぶべきというのが答えになります。どちらでも正しく磨けていれば、歯の汚れ（プラーク）はしっかり落とすことができます。

電動歯ブラシは比較的容易に、速く汚れを落とす事が出来ますが、正しく歯に当てることが大切です。手磨きは歯並びに合わせて歯面を細かく磨けますが、電動歯ブラシに比べると丁寧に時間をかける必要があります。

お口の状態やライフスタイルに合った歯ブラシを選んで、歯磨きの目的である歯の周囲につく汚れ（プラーク）をきちんと除去をしていきましょう。時間があるときは手磨きで丁寧に、忙しい時は電動歯ブラシを使うなどで使い分けてみても良いかもしれません。

記事監修　Dr.鳥居健二
田治米歯科クリニック八尾医院
院長鳥居健二